FF SPECIAL INTERVIEW

●コロナ禍でのコンサート再開

———まだエンターテインメント業界全体も様子見や手探りの中ですが、徐々に公演再開も見られるようになりました。3月に予定されていたシンフォニックコンサートも、8〜9月に延期となりました。久しぶりにステージに立って、いかがでしたか。

フミヤ(以下F):再開の最初がシンフォニックでよかった。もともと座って聴いてもらうタイプのしっとりしたコンサートだから、ステージ側から見ても違和感がなかったんだよ。逆に、普段のよく動くライブだったら、お互い普段との違いに、気を使ったり戸惑ったりしたと思う。出演者全体に「久しぶりに演奏できる!」という喜びや感無量なムードがあったよ。オケは黒い服に黒いマスクだったから、なんとも不思議でカッコいい集団になってた。西本さんもマスクをしてるんだけど、ちょっともう“キャッツアイ”的なカッコよさで。最近は、管楽器の飛沫もそこまで飛ばないという科学的な検証もあるみたいだね。お客さんはマスクをして、1席ずつ空けて座ってもらった。特殊な環境だけれど、両サイドや前に人がいない分、ゆったり見てもらえたとは思う。反応としては予想していた通り、声聞いた瞬間に泣き出す人も多かった。これまで半年間の、いろんなことがぐるぐる頭を巡ったんだろうね。この期間は生活の変化やストレスもあったはずで、お互いそれを乗り越えて会えたわけだから。これまで俺らは、会おうと思えば、コンサートやイベントで年に数回は会えていた。それが今回かなり久しぶりというのもあったし、感極まる感じは当然あっただろうな。コンサートに来ること自体、人によっては家族の反対もあったかもしれないし、さすがに両親と同居とかだと来られなかったんじゃないかと思う。みんなのそういう思いの中、延期公演が行われたわけ。俺自身に関しては、まずは感極まるというよりは、しっかり歌うということに集中していたけれど。まだ余程のことがない限り、この警戒態勢が続くんだろうね。

マネージャー:コンサートホールというのは、もともとかなり換気がいいらしいですね。

F:新幹線も飛行機も、近くに人が座っているのはコンサート会場と同じだけど、会場はそもそも容積が大きくて空気の量が多いから密室じゃないと思うけどね。事前に、comu comuには日本中から「ついに始まりますね」とか「気を付けてください」というコメントが寄せられて、まるで俺を戦場にでも送り出すような感じだった(笑)。どうも地方から見ると、東京はそこら中がコロナ感染者だらけで大変な状態だと思われてるらしいね。あくまで人口が多いからな。みんな気を付けながら暮らしてはいるんだけど。