billboard classics PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2020 藤井フミヤ meets 西本智実

PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2020

第二部は、オーケストラによる「アルルの女」より「ファランドール」から。力強い楽曲においても、繊細でエレガントな音色がイルミナートフィルの特徴でもある。再度フミヤが登場し、「Snow Crystal」で凛とした冬の空気を醸し出す。続いて「消えないキャンドル」「ラブレター」、そして切なさを込めて「Another Orion」へ。客席は、ただうっとりと歌と音の波に浸る。「わらの犬」はハープの音色と雨が跳ねるようなチェロのピチカートとともに。そして終盤の「愚か者の詩」は、まさに名アレンジ。ここまで曲の力が引き出されるのかと、面白さと驚きを感じる。ラストは「夜明けのブレス」、すべてを包み込んで昇華させるような神聖な空間がそこに生まれた。西本さんの指揮もフミヤの手の動きも、まるで白い鳥の羽ばたきのような美しさである。歌の最後は、フミヤがアカペラで丁寧に声を客席に届けた。