彩事季 ー 何が変わる?

saijiki
さいじき

何が変わる?

もうすぐ2020年も終わるが、まだまだ新型コロナ騒動の真っ只中だ。人生の中で、すっぽり抜け落ちたような1年だった。とはいえ人生の記憶、そして人類の記録に残るような1年でもある。

この1年で、人間の営みが大きく変わってきた。さまざまなことのオンライン化が急激に進んだ。多くの会社や学校はある程度オンラインで事足りるし、それがスタンダードになってゆくのだろう。通勤通学や無駄な会議にかかっていた時間は削減され、自分で自由に使える時間となる。私の事務所も今後はリモート中心となり、スタッフが毎日出社する必要はなくなりそうだ。自分も、自宅にいながらリモートで多くの仕事ができることに気付かされた。この1年、家にいる時間がほとんどだったので、家族の絆も強くなった。顔を合わせる時間が多い分、サザエさん一家のように会話も増えた。

日本の総理大臣も代わり、菅政権は日本のデジタル化を急速に進める方針でデジタル庁を新設。今後さらに多くの物事がデジタル化され、我々はより一層AIに監視・管理されることになる。日本はハイテクな先進国だと思っていたが、そうでもなく、デジタル化は世界の中でも遅い。デジタル競争力ランキングでは世界27位。超高齢社会で、血の通ってないようなクールさやハイスピードに馴染めない人が多いためだろう。

勤勉な日本人は、家庭より仕事優先という考えに慣らされ、手懐けられてきた。なのに働いても働いても日本全体が豊かになった気がしないのは、きっと心が豊かになるような社会の仕組みになっていないからだろう。世界の幸福度ランキングで日本が62位というのにも表れている。会社や社会への貢献も大事だが、もっと働くことが個人の幸せに繋がる社会構造にはならないものだろうか。
世界が生み出す富の約80%は社会を牛耳る1%の大富豪のもので、残りの20%を99%の人類で分け合っているそうだ。1%の大富豪たちが、もっと人類と社会に貢献して地球を良くすればいいのに…  そんなにいっぱい持っていても、生きてるうちに使い切れないだろうにねぇ。しかし、経済学者の~最後の答えは~どうやら世界は~貪り続ける~…である。戦争が常になくならないのがその証拠だ。

まぁ人生にはお金も大事だが、お金ですべての心や幸せが買えるわけではない。せめて我々はそう信じよう。社会が変わらないのなら、自分たちでそれぞれに幸福度を上げるだけだ。自分は幸せだ、と思えるような環境を整えればいい。変化の時なのだから、コロナという未曾有の経験を無駄にせず、仕事の仕方や家庭内など生き方を見つめ直そう。

いずれコロナは収束し、以前のようにマスクなしで生活できる日がやってくるだろう。でも世の中は以前の状態に戻るわけではなく、新たな形に変わっている。その時、自分はどう変わってゆくべきか? 何も変われなかったら、このコロナでの苦労が無駄になってしまう気がする。何をどう変えればいいのか、社会の変化に徐々に適応してゆくしかないのだろうか。
そう思ってよくよく見直してみれば、すでに自分の環境は変わってきている。コンサートの配信をやるようになった。コンサートで声を出せない静かな客席にも、徐々に慣れつつある(まぁこれはいつか元に戻るだろうけれど)。ツアーグッズは会場で並ばず通販で買える。会報もデジタル化。そもそも以前からチケット販売などはオンライン化していたし、SNSなどでの情報発信もしている…etc. 気付けば、我々も徐々に変わってきていたのだ。
しかもFFのみんなは、新しい環境にすぐ順応している。その速さは、ファンという精神こそが持つパワーなのだろう。君たちは本当に凄いよ! もはやアナログな私は、そんな君たちに付いていきます。

フミヤサイン