ACTIONツアー特集 4 パシフィコ横浜7/11

Fumiya Fujii Concert Tour 2020-2021 ACTION
SPECIAL ISSUE #4

●2021.7.11 パシフィコ横浜

FF会員限定公演でありフミヤのバースデー。フミヤも心置きなく100%身内感覚で楽しむライブは、本番でありながらも、一緒に頑張ってきた仲間との打ち上げのような気持ちかもしれない。FFならではのリラックストーク、そしてスペシャルなサプライズの様子をお届け。

最初のMCでは「Yeah! ようこそ、FFバースデーライブへ。まあ……座れば?(笑)」と口元を緩める。一瞬いつものように「お座りください」と言いそうになり、そうだ今日はFFだったとモードチェンジ。
「今日は、俺の誕生日にようこそ。(会場中をぐるりと指して)こんなに大きなプレゼントをいただきまして、幸せもんだと思います! 59ちゃいになりました(笑)。(拍手)昔で言えば立派なオッサン……も通り越してる(笑)。みんなのおかげで、頑張って歌っております。シーンとしてるのでしゃべりにくいんですが、まあ、何をしゃべっても許される身内みたいなもんなんで。楽しく最後まで、祝っていただければ、私を(笑)。ACTIONはFFオンリーのライブで始まりまして、今日もFFオンリー。FFに始まりFFに終わる」
配信で視聴しているファンにも、カメラ越しに声をかける。「こんにちは。ようこそバースデーライブへ! そこは自分の部屋なんで、ビールとかシャンパンとかワインとか置いてあったら、乾杯! 楽しんでください」。過去の多くの中継とは異なり、コロナ禍では配信でしか見られない人も多い特殊な状況。だからこそフミヤの、こんな時だからこそ楽しんでほしいという気持ちも強くなっている。

「次は、ご存知かと思いますが(笑)タイムマシーンに乗せるコーナーです。コロナで、みんなを元気づけようと思って、自宅でギター弾きながらチェッカーズを歌って。最初怖かったじゃん。何だか分からないし怯えてたよね、俺たち。何もできないし。それでチェッカーズを歌ったんですが、非常に反応も大きく。世の中こんなことが起きるんだ、ぼーっとしてる場合じゃない、チェッカーズも歌った方がいいんじゃないかと。ACTIONからガンガン歌うことになりました。この歳で歌うと、逆に若返るというか新鮮というか。この歳まで我慢して良かったなという気がしてます(笑)。それでは皆さん、こんだけ乗れるタイムマシーンってのは、かなりでかいです。それでは行きましょう、1980年代へ、一緒に」
この日のタイムマシーンは、「星屑のステージ」「ジュリアに傷心」「I Love you, SAYONARA」、そして「Song for U.S.A.」で、あの頃に連れて行ってくれた。「タイムマシーンの乗り心地は、いかがでしたでしょうか?(カメラに)あなたも、お部屋がタイムマシーンになりましたか? みーんなFFだから。ま、座ろうか。この気軽な言い方(笑)。ゆっくりしてて」

「去年のバースデーはF-BLOODでしたね。やっぱり毎年誕生日はコンサートやっていこう! だってお祝いしてくれるんだもん、みんな。最高のプレゼントじゃない? この大きなキラキラ光ってるの。本当にありがたいこっちゃ。いつまでも一緒にお祝いできればなと思います。(拍手)こんなたらたら長く話していいのも、みんな身内だからっていうね(笑)。そんな静かな感じから、いきなりロックンロールに行くからね。分かってると思うけど(笑)。じゃあ行くよ、もうなんも言わん、始めるよ! 立って立って!(笑)」

アンコールでフミヤがステージに戻ってくると、すぐにバンドが「Happy Birthday To You」を歌い始めた。舞台袖からは尚之氏が大きなケーキが乗った台を押してくる。客席は声は出せないけれども、心を合わせて歌う。フミヤは笑顔で会場とケーキを見つめる。キャンドルに火はともっていないが、「ありがとう! 火は禁止なんだよ(笑)。でも火がついている気持ちで…」と息を吹きかけて火を消す仕草。自身のスマホを取り出し、「写メ撮ろう」とケーキに向かうフミヤの姿に、会場は笑いに包まれる。場内の照明を明るくし、ファンとケーキとともに自撮りで記念撮影。気の利く尚之氏が「はい、チーズ」と声をかけて、何枚か連写。撮り終えたフミヤは指でケーキのクリームをひとすくいして舐め、マイクスタンドのところまで戻る。アンコール開始かと思いきや、その場で写真チェックを始める。「いいのがない(笑)。オッサンだなー。1枚もないじゃん、どうしよう。これなんか情けない笑い方だな〜」。本番中にスマホ操作というレアな姿を、微笑ましく見守る客席。尚之氏が「なんか繋ぎますか?」と声をかけるが「あ、これにしよう! よし、キープした」と、納得の1枚が見つかった様子。「それじゃ……あ、アンコールだ!(笑)。みんなはHappy Birthday歌えなかったんですけど、心の歌が聞こえてまいりました。ありがとうございました。アンコール、心を込めて、あの頃の君へ、そして今の君へ」と「涙のリクエスト」へ。フミヤも思い切り楽しんでパフォーマンスしている。

「どうもありがとう。今日のアンコールさぁ、『紙飛行機』やろうかとも思ったんだけど、それはダメですって言われた(笑)。考えればそうだよな。銀テープとかもダメなんだよ。早く大騒ぎしたいな!」話しながら再びスマホを手にする。「じゃあ、送るよ。圏外じゃないよな?……4G(よんじー)ついてる。あ、フォージーだ。(会場:笑)ツッコミがあるとしゃべりやすいんだよ。誰も揚げ足取ってくれないから寂しくて。フォージー、フォージー。よんじーでもいいじゃんか!(笑) 行くよ」えっ、もしかして本当にメールを送ってくれようとしているの?と、会場に驚きとそわそわ感が広がる。「あ、今携帯を出しちゃダメだよ(笑)。ここ出たら見て。君と俺とはいつでも繋がってるから。(スマホを掲げて)寂しい時はフミヤがこの中にいるし、繋がってる、と思ってください。それじゃ、送信」と、いつもの「言葉しかない Love Song」へ。
なんとステージから、先ほどの自撮り写真にハートマークを添えたメールが、FFメンバー全員に送信された。会場内ではすぐに見ることはできなかったけれど、生配信の視聴者コメントやcomu comu、Twitterなどではリアルタイムに盛り上がる。コロナ禍で繋がり支え合ってきたこと。会場でもツアーに来られなくても全国で応援してくれるファンのおかげで、ツアーが終えられたこと。フミヤの感謝が形になったプレゼントだった。

ラスト「エンジェル」まで歌い終えて、万感の思いでマイクに向かう。
「今日はいい誕生日になりました。ありがとう! 長いツアー、いろいろあったけど、まあまあな達成感があります。バンドのメンバーに大きな拍手を。普通ならこの後打ち上げをやるところなんですけど、店も開いてないし酒もないし。緊急事態が終わったらやりましょう。それでは一丁締め。本当に今日は、誕生日ライブありがとうございました。また一緒に遊ぼうぜ!」
会場全体、綺麗にパンと一丁締めを合わせた。SEが流れ始め、バンドを見送ってフミヤだけがステージに残る。
「ありがとう! お客さんは半分でしたけど、どこ行っても満員で。イベンターが驚くほどみんなルールを守ってくれて、盛り上がってくれて。いいツアーだったと思います。ACTION。本当にみんなと一緒に作ったようなツアーでした。冬は十音楽団をやります。あ、そうだ。今日やるかやらないかっていうのを迷って、やると決まったことがありまして。8月に横浜アリーナと大阪城ホールで、One more ACTIONていうのをやります。(拍手)緊急事態でどうなるか分からないんですけど、やる方向で進めます。横浜アリーナもしくは城ホールでお会いしましょう! あと、明後日から浜松で個展もやりますんで、近い方はぜひ。その後福岡とかいろいろ回りますんで。私はまだまだ動きます。Yeah!」

大きな拍手が、場内が明るくなっても長く長く続いた。ライブに加えて、嬉しいサプライズが重なる特別な公演となった。
未曾有の混迷の中、アーティスト、スタッフ、ファンが一体となって真摯に作り上げたACTIONツアー。参加する側の気持ちも、いつもとはまるで違ったことだろう。FF会員限定公演がツアー日程を前後から挟んだスケジュールは、まるで護符のように、フミヤの想いを守ってくれていたのかもしれない。

なお、このたび発売が決定したライブBlu-rayの特典映像には、この日の「Song for U.S.A.」「危険なラブ・モーション」そしてバースデー祝いのシーンも収録されることが決まった。あなたとフミヤが一緒に創り上げたACTIONの記録、ぜひ堪能してほしい(詳しくはこちら)。

<2021.7.11 SET LIST>
BET/TOKYO CONNECTION/UPSIDE DOWN/Style/この空の真下で/Rolling my Stone/100Vのペンギン/星屑のステージ/ジュリアに傷心/I Love you, SAYONARA/Song for U.S.A./ティーンネイジ・ドリーマー/Another Orion/TRUE LOVE/ALIVE/危険なラブ・モーション/WE ARE ミーハー/GIRIGIRIナイト/NANA/ギザギザハートの子守唄
ENCORE:涙のリクエスト/言葉しかない Love Song/エンジェル