Fumiya’s Favorite ー やべ蕎麦

「いいと感じたものは、FFメンバーとシェアしたい」。
そんなスタンスで、フミヤのおすすめ&お気に入りをご紹介するコーナー。
今回フミヤのアンテナがビビッととらえたのは、こちらです!

●北海道愛別産十割蕎麦「やべ蕎麦」

東京人は、よく蕎麦を食べる。私が蕎麦を好きになったのも東京に来てからだ。

福岡在住の頃は、まったくと言っていいほど蕎麦を食べたことがない。福岡には蕎麦屋がほとんどなかった。今でこそ数軒はあるが、昔から福岡県人は基本的に麺といえばうどんとラーメン。うどん屋にたまに蕎麦が置いてあったが、ほぼ誰も食べなかったのだ。福岡のかけ蕎麦は美味しくなかった。なぜなら、うどんの出汁に蕎麦を入れるからだ。一方、東京のうどんはあまり美味しいと思えなかった。基本が蕎麦屋であってうどん屋ではないからだ。出汁は真っ黒である。それはざる蕎麦の出汁を薄めたものが、かけうどんの出汁になるからだ。うどんは透き通った出汁、蕎麦は黒い出汁の方が旨い。

東京の蕎麦屋は三段階に分けられる。立ち食いのような蕎麦屋、食堂のような機械打ちの蕎麦屋、そして手打ちの高級蕎麦屋。ざる蕎麦の値段も、500円・1000円・2000円くらいの違いがある。種類も蕎麦・十割蕎麦・変わり蕎麦・更科など、いろいろある。今では手打ち蕎麦屋は昼だけではなく、夜の会食の店としても確立されている。

チェッカーズのメンバー数人で、初めて東京の蕎麦屋に入った時のことを思い出す。蕎麦を食い終えた時に、店員さんが輪島塗のような四角い急須みたいなものを「はい、蕎麦湯です」と置いた。メンバー全員が「???」「何これ?」「そばゆ?」。店員さんに「これ何ですか?」と聞いて、蕎麦湯の飲み方を教えてもらった。「ヘェ~、東京の人はこげな風に出汁ば飲むったい! おしゃれやねぇ~」と、妙に感動したのを覚えている。

手打ち蕎麦屋で、酒の肴で1杯やりながら最後に蕎麦を食う、というスタイルが流行りだしたのはバブル時代からだ。それから蕎麦懐石なる店が増えた。
その昔、大阪から来た人を晩飯に誘って「蕎麦屋を予約した」と言ったら「えっ! 蕎麦屋?」と不思議な顔をされたことがある。大阪ではうどん屋は昼に行くものであって、夜にわざわざ会食に使うところではないらしい。蕎麦もうどんも同じ部類に入り、大阪のうどん屋には東京の蕎麦屋のような格差はないようだった。でも蕎麦屋で美味いつまみをさんざん楽しんで日本酒を飲み、最後に更科の白い蕎麦を食わせると、「なるほど。東京の蕎麦屋ってこんなんあるんや!」と感動していた。

最近はどこの地方の街にも美味しい蕎麦屋があるが、個人的にここ数年でとくに頭角を現してきたと思うのが北海道。昔は北海道で蕎麦屋に行くなんてことは滅多になかったが、最近はたまに行くことがある。

ある日、元銀座の有名なオネエママの知人から、乾麺の蕎麦を作ったから食べてみてくれとメールが届いた。実家が北海道の農家で蕎麦を作っているらしい。食通の知人は、自分が本当に美味しいと思う蕎麦を作ったという。
北海道の愛別産十割蕎麦「やべ蕎麦」を、早速ネットで購入。名称は「干し蕎麦」と言うらしい。原材料を見ると蕎麦粉100%。つなぎの小麦を使用しない十割蕎麦の乾麺だ。4分茹でて火を止めて2分蒸らす。それから水でゆすぎ、ざる蕎麦でいただく。これが簡単で旨い! 蕎麦の味を楽しむには、ネギとワサビと海苔ぐらいで十分。蕎麦粉100%だからか、茹でた後の蕎麦湯がこれまた旨い。この「やべ蕎麦」、内容量180g 約2人前の袋が10袋入って、一箱が税込み8800円。つまり一袋800円で2人前だから、1食分が400円。還暦間近な私にはちょうどいい量だった。最初は10袋もあるから誰かにお裾分けしようと思っていたが、簡単に作れるし旨いのですぐになくなってしまった。また頼もうかってことになり、ついでに知人にも送ろうと、さらに5箱も購入。

美味しいものは分かち合おう! 今季は完売してしまったようだが、蕎麦好きな方はいつかお試しあれ!