今回はフミヤがOFF中に訪れたハワイ紀行をお届けします!
かねてよりフミヤのFavoriteな地であるハワイの現在の様子を、エッセイスタイルでお楽しみください。
●ハワイ紀行
今年の夏もなんやかんやと忙しかったが、やっとお盆過ぎから2週間の夏休みが取れた。今回のバケーションは、新型コロナウイルスが発生してから初めてとなる海外旅行に行くことにした。
私がよく行く海外と言えば、ご存知の通りハワイ。疲れを癒し、心を浄化するにはハワイがどこより楽チン。もうこの年齢になると、休暇を使ってまで東京という都会から海外の都会へ行こうとはあまり思わなくなった。最後にハワイに行ったのは2020年の年始だったか。あれから世界中がロックダウンされる事態になるとは。実は、昨年末から年始にかけても行く予定を立ててエアチケットも予約していたのだが、状況的に断念したのだった。
約2年半ぶりのハワイ。行く前にはワクチン接種証明書を区役所から郵送してもらった。証明書は郵送でしか受け付けておらず、返送用封筒も入れて申し込まなければならない。スマホには、空港でスムーズにチェックインするためにVeriFLYというアプリと、帰国の際に必要なMy SOSというアプリを入れた。
飛行機は夜の便で、空港に着いてからも比較的問題なくイミグレーションを抜けることができた。出発便が遅れるとのアナウンスがあったので、ラウンジで軽く飲む。ビュッフェスタイルのフードコートは、いくつかのメニューからオーダーする学食のようなスタイルに変わっていた。やることもなくワインをガブガブ飲んだので、機内では映画を1本も観ることなく爆睡。起きたら飛行機の窓からハワイの青い海が見えていた。
ハワイの空港に着くと、ようやく海外に来られたという、何とも言えぬ嬉しさが込み上げた。前回のハワイ入国時は、イミグレーションはセルフの機械がずらりと並んでいたが、コロナ対策でそれらがすべて取り払われ、昔ながらの対面式になっていた。アメリカ人の観光客が多く、マスクをしているのはほぼ日本人だけ。ハワイの入国は驚くほど何もなくスルーだった。
空港に迎えに来てくれた知人のマキが、「ALOHA! Welcome to Hawaii!!」とプルメリアのレイを首に掛けてくれた。いきなりハワイの香りが漂い、「あぁ、ハワイだ!」。
車でワイキキのカラカウア通りを通ると、いつものハワイの光景がそこにあった。第一印象は「全然普通じゃん!」。日本語が通じる日本人ウェルカムな南国の楽園、そして天国に近い島。海や空はもちろんのこと、現地の人々の心のゆとりや優しさが生み出す空気感は、やはり日本とはまったく違う。すべての時間がゆる~く流れている。1年中ビーサン、短パン、Tシャツで過ごせる街。若い女の子がビキニでホテルの部屋を出て廊下を歩き、エレベーターに乗って外に出て、街を歩いてビーチへ行く。ワイキキでは普通の行為。歩道でいくらでも若いビキニの女の子とすれ違う。
もう、ほぼコロナ前のハワイに戻っていた。変化といえば社会情勢で、アメリカはインフレで物価が上がっていた。日本人には円安により、さらなる物価の高さだ。1ドルが約140円。1ドル約100円時代から考えると約1.5倍と考えなければならない。カフェのランチでサンドイッチ1皿とアイスティー2杯をオーダー。チップと税金を入れて45ドル=6300円払った。わお! こりゃ大変だ!(ちなみにコロナ後のハワイは、働かない癖がついたのか労働力不足。レストランも人手不足でチップは10%が最低ラインらしい)近所のコンビニで「お~いお茶」を買えば、1本4ドル=約560円。ワイキキのドン・キホーテで買えばもっと安いだろうけれど。
今まで、ざっくりと1ドル=約100円程度の感覚でいた。生まれて初めてハワイに行った時は、1ドル240円ぐらいだったと思うから、まぁその時に比べればまだマシだが。1ドル=約100円時代は、買い物をしてもなんとなくドルと円がイーブンな感じがしていた。今、海外から日本に来れば何でもかんでも驚くほど安く感じるはずだ。日本もコロナが落ち着けば、海外からどっと観光客が押し寄せるだろう。海外から為替を考えると、単純に1ドル100円時代と今の140円で比べた場合、1万円が1万4千円になっている。100万円が140万円。10億円が14億円。100億円が140億円。日本の企業や不動産なども約30~40%オフで買えるということだ。こりゃ、日本がアメリカや中国に買われるなと思った。
日本ではさほど気にしていなかった円安が、海外に来てみるとかなり厳しい状況だと分かる。気軽にクレジットカードで買い物をしているととんでもないことになると思い、ハワイの銀行にプールしていたドルを引き出した。1ドル100円時代にチェンジしていたドルだから、これで買えば約40%オフで買い物ができるとも言える。だから今回の支払いはやや面倒だが、ほぼキャッシュにした。ブランド店に入ってみたが、とんでもない値段で買う気にもならなかった。変な話だが、なんだか損したような気持ちになる。140円になったことで、プライスをすぐ為替計算する癖がついた。
それでもこの夏のバカンスで大勢の日本人観光客がようやくハワイに戻ってきて、沢山のお金を使ったらしい。この2年間はほぼアメリカ人の観光客しかおらず、彼らはほとんどお金を使わないらしいのだ。夕食も簡単に済ますのだとか。だからハワイの人たちは、あらためて日本人観光客のありがたさを再確認し、「やっと日本人が来てくれた!」と喜んでいるという。また、日本人には他国にはないモラルの高さがあるらしい。
今回の過ごし方は、まず早朝に3キロ散歩してから、その日のやりたいことをやる。夕方に1時間ほど海で泳ぎ、サンセットのベランダでビールを飲む。ディナーへ出かける。帰宅してまたバルコニーで夜の海を眺めながら酒を飲んで、寝る。これが、ほぼ毎日のルーティーン。
ハワイでの楽しみのひとつが食事だ。新しいレストランも増えていた。新しい和食の店はどこもローカルの人たちに大人気で、和食以外でも評判の良い店はなぜか日本人シェフが多い。やはり日本人の味覚は信用されているのだなぁと、あらためて思う。
しかしホテル滞在でBreakfast・Lunch・Dinnerと旅のハイテンションのままに食べていると、すごい金額になるだろう。うちも子供が小さい時は3食しっかり食べなければいけなかったなぁ。奴らは毎日朝から夕方までずっと海やプールで泳ぐので、お腹も空く。大人もそれに付き合うので、一日中、空腹感がない感じだった。
ハワイの料理はスムージーやアサイーボウルなどのヘルシーなものもあるが、大半はハイカロリーで量が多い。今回ランチでたまたま隣のテーブルに座ったローカルの女の子は、かなりデカいハンバーガーに山盛りのフレンチフライ。それと大きなお皿にデカいパンケーキ、上にはたっぷりフルーツとクリームが。二人で座っていたので当然シェアするのかと思いきや、それをなんなく一人でペロリと食べてしまった。まさに圧巻!
私は今回のんびりして運動もほぼしないから、1日2食で十分。ディナーは外でいいとしても、それ以外の食事はコンドミニアム滞在なのでなるべく自炊にした。
さて、朝食はブランチにして、ホットドッグを作ることにしよう。これはハワイアン・ブレックファストとして、過去の「F’s RECIPE」(Vol.83)でも紹介したことがある。まずはスーパーでホットドッグ用のパン、ソーセージ、マスタード、トルティーヤチップスなどにつけるトマトディップ(トマトやオニオンやハーブが刻まれたサルサソース系)を買う。その他、スクランブルエッグ用の卵、サラダ用の野菜、フレッシュジュース用のオレンジなど。
ホットドッグは、焼いたパンに野菜を挟んでトマトディップをたっぷりのせ、茹でたソーセージを挟み、マスタードを塗れば出来上がり。お皿に載せてスクランブルエッグを添える。サラダのドレッシングは、オリーブオイル、塩、ブラックペッパーとレモン。ドリンクはフレッシュオレンジジュース。これでFumiya’s Hawaiian brunchの出来上がり! ホテルで食べたら30ドルくらいしそうな出来栄えだ。さらにバルコニーで海を眺めながら食べると、何でも美味しく感じる。
帰国出発日の前日にPCR検査を受け、無事に陰性。証明書をもらい、My SOSアプリに登録して帰国。飛行機を降りると空港でいろいろコロナ手続きがあったけれど、思ったより比較的スムーズにイミグレーションを通過。
スマホを開いたら、マキからメールが入っていた。「日本は9月7日から帰国時に陰性証明がいらなくなるって発表されたよ。パイセン(俺のあだ名)達が最後のPCR受けて帰った日本人だよ」。やっとそうなったかぁ。あとは日本政府と日本企業よ、頑張って再び円高にしてくれ! そう思ったのだった。
久しぶりのハワイは、驚くほど楽園だった。今回思ったことは、地球上に自分にとっての楽園があるとすれば、それは「自分が英語が喋れる状態でハワイにいる」という状況ではなかろうか。そうかぁ~、英語が喋れればこの世に楽園を手に入れられるのだなぁと思った。まぁ毎回ハワイから帰ってきて思うことだが、英語を勉強しなきゃな。
何より、またFFのみんなとハワイツアーやりたいなぁ~! 前回は3年以上前か。確かその後に、ノブオさん(Bass有賀啓雄氏)とハワイ島へ行ってジンベイザメに遭遇した。ただ、今の為替状況ではなかなかハワイでは難しいかも。どう考えても国内の方がツアーも実施しやすいだろう。でもハワイがいいよなぁ。もう円高時代はやってこないのだろうか。IT社会になってからの日本企業は弱いからなぁ……。いろいろと考えつつ、あっという間の夏休みでした。