Fumiya’s Favorite ー 趣味の復活

「「いいと感じたものは、FFメンバーとシェアしたい」。
そんなスタンスで、フミヤのおすすめ&お気に入りをご紹介するコーナー。
今回フミヤのアンテナがビビッととらえたのは、こちらです!

●趣味の復活

ある日、知人のカンニング竹山君から事務所に1冊の本が届いた。「50歳からのひとり趣味入門」という、彼の新著だ。竹山君の趣味に対する気持ちや心構え、自由な時間にひとりで好きに遊ぶことを勧める内容だった。

読んでいるうちに、好きなことをやりたい気持ちで胸がザワザワしてきた。

長いコロナ禍を経て、ひとりで好き勝手に何かをやる時間が減っている気がした。実際に、コロナ前よりも家にいる時間が長くなっている。「ちょっと出かけてくる」。家でやることもなく、なんとなく適当に出かけたい時というのがある。しかし、コロナで外出を心配され、在宅が普通になったことの精神的な後遺症みたいなもので、ひとりで遊びに出かけることに無意識にブレーキをかけ、気を遣っている自分に気付いた。

この本を読んで、人生を豊かにするためには、もっと遊びに出かけなきゃ!と思った。

まずは、大好きな登山を復活させよう。最後に山に登ったのはいつだったかなぁ? コロナ前には違いない。よし、まずは日帰りで山へ出かけよう! すぐにスケジュールを見て、山へ行ける日を探す。日程を決めているだけでウキウキしてきた。

久しぶりに登山の道具を引っ張り出す。ひとつひとつのアイテムが妙に懐かしい。日帰りなので多くの装備は要らないのだが、いろいろ出してみる。トレッキングシューズの靴底のゴムが劣化してないか調べる。念のため、明日はこの靴を履いて歩こう。トレッキングの靴はとても大切なのだ。リュックはどの大きさにしよう……ウェアはどれにしようか……かなり暑くなるだろうから、上は速乾性のあるTシャツかな。でも長袖がいいよなぁ。下は長ズボンにするか、スパッツを履いて短パンか? 首には速乾性の薄いタオルを巻いて、ハンドタオルとバンダナをポケットに入れようか。何度も着たり脱いだりを繰り返す。完全に遠足前の子供である。

道具をある程度用意したら、次はどの山に登るのかを模索する。久しぶりだから標高1000~1300メートルくらいの山かなぁ。トレッキング時間が5~6時間くらいがちょうどいい。朝6時に出発して19時くらいには帰宅できるような場所。関東近郊の日帰り登山の本を見ながら、交通手段やアクセス、乗車時間などを調べる。行きの電車の中で朝食をとりたいから、横並びの座席ではなく指定席のある電車がいいなぁ。山が決まったら、次は予定日の天気を調べる。降水確率30%かぁ……まだ1週間先だから変わるかもなぁ……ダメなら違う日かぁ。下山後に入れる温泉や銭湯が近くにあるかどうかもチェック。この銭湯は一駅戻るのかぁ……何曜日が定休日だろう?

もちろん熱中症対策も考えなくてはならない。弁当が腐らないように、保冷剤と保冷用バッグも必要だ。前日から水とお茶を凍らせ、それを保冷バッグの中に入れれば大丈夫だろう。さすがにこれだけ暑いとホットコーヒーは飲まないから、サーモスは必要ないな。ゴミを持ち帰るためのビニール袋、ティッシュやウェットティッシュ。そうだ、冷却のスースーするウェットティッシュも買おう。休憩中に欲しくなるチョコレートや飴も。虫除け、虫刺されの薬、絆創膏、それから日焼け止め。温泉後の着替えの下着やTシャツ。帽子はキャップよりハットがいいか。ストックは下山の時には必需品だ。あとは何が必要だろう……。たかが日帰り登山なのに、あれやこれやとやることや準備するアイテムが次々と浮かんでくる。

なんだ? このウキウキワクワク感は!
これだ! これこそが趣味なのだ!
山へ行くことも楽しいが、用意するのも楽しい。登山を復活させたら、次はひとりキャンプもやってみたい。竹山君はひとりキャンプが好きだと書いていたから、始める時は教わることにしよう。
さぁ! いざ行かん! まずは山が俺を呼んでいる!
これからの人生、もっと遊びに行くぞ!