Fumiya’s Favorite ー 「食品の裏側」

「いいと感じたものは、FFメンバーとシェアしたい」。
そんなスタンスで、フミヤのおすすめ&お気に入りをご紹介するコーナー。
今回フミヤのアンテナがビビッととらえたのは、こちらです!

●「食品の裏側―みんな大好きな食品添加物」安倍司 著
(2005年 東洋経済新報社)

今回は、Favoriteというよりは、知識として知っておいた方がいいかなと思って買った本を紹介しよう。

あなたは何味のポテトチップスが好きですか? 日本には何種類の味のポテチがあるのだろうか? ———そう、あの味付けには多くの添加物が使われている。今や、日本人は添加物好きな民族だと言っても過言ではない状態。冗談ではなく、添加物が入ってないと物足りない舌になってしまっているのだ。

「食品の裏側」は、日本の食における添加物の話。80万部も売れているので読んだことがある人もいると思うし、これから日本人が考えなければいけない大切なことだと思う。肉体や細胞は食べたもので作られるのだから、誰でもこれからの人生のために多少知っておいた方がいいだろう。

まず、日本は世界一の食品添加物王国だと知っていましたか? 国が認可している食品添加物の数を他国と比較すると、日本が約1,500種なのに対し、2位のアメリカですら133種、ドイツ64種、フランス32種、イギリス21種と言われている。いくらなんでも日本の認可数はちょっとおかしくない?!

日本の食べ物は、安くて美味しい。それは確かだ。コンビニ商品の品数は多く、ファミレスもメニューが豊富で綺麗。でも「安い」「美味しい」に加えて「安全」かと言うと、どうだろうか?
日本のスーパーマーケットで加工食品を買うと、完全無添加と表記されたもの以外は、たいてい何種類もの添加物が入っている。なぜ日本はこんなことになったのか? おそらく日本人の舌が肥えていることと、食べることに関して研究熱心だったからではないかと思う。日本の食材は、肉・魚・野菜・果物・穀物etc、どれも世界一と言えるものがある。ピオーネやシャインマスカットを食べたことがあるでしょう? あんな美味い葡萄は、世界中どこを探してもない。しかも種子もない。日本人は、どこまでも研究・改善する国民性だ。戦後すぐに人工的な調味料が作られてから、あっという間に多くの種類が使われるようになり、気が付いたら1,500種になったのだろう。イギリスなら添加物が21種類しかないのかぁ~と思うと、その安心感は羨ましくも思える。

もちろん、添加物がすべて悪いわけではない。我々消費者も企業も、添加物のおかげで、低コスト・便利・早い・美味しい・長持ち・食感が良い、といった多くの恩恵を受けている。ただ、さすがに日本の1,500種認可というのは世界的に見ても異常に思える。消費者が学び、声を上げない限り変わらないので、この事実をじわじわと浸透させる必要があるのではないだろうか。また、食品・飲食業界で働く人たちが添加物を使用することに罪悪感を感じても仕方がない。いち従業員レベルで解決できることではないからだ。国や業界が国民の健康と将来を考えて、使用に関する扱い方を変えていくしかないだろう。例えばタイでは、トランス脂肪酸の使用が禁止になった(他にも禁止や制限をしている国は多くある)。その結果、ほとんどのインスタントラーメンがスーパーマーケットの店頭から消えたという。

自分も「食品の裏側」を読んでから、商品の裏側を見て、何が入っているのかな?と確認するようになった。それだけでも充分だと思う。もちろん、使われている添加物の数が少ないものを選ぶ(原材料名にスラッシュが入っている場合は、それ以降が添加物)。常温のものが冷凍になるだけでも添加物は減る。あなたもきっと、スーパーやコンビニに入った時、商品の見え方が変わるはず。
ただし、読んで全部を気にしていたら何も食べられなくなってしまう。どうせ100%添加物なしで生きてゆくのはほぼ無理なのだから、「ある程度はしょうがない!」と達観し開き直って生きていくのも大切だ。自分もたまには駄菓子を食べたりもするし。あまり潔癖になり過ぎないようにね!

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