40th Anniversary Tour SPECIAL ISSUE #3

昨年から続く周年ツアー“40th Anniversary Tour 2023-2024”も、いよいよ終盤となってきた。
特集第3弾となる今号では、4月13日の福岡サンパレス公演の様子をレポート!
たっぷりのライブ写真とともにお届けしよう。

*以下、曲順や曲名などのネタバレが含まれます。

初夏のような日差しに包まれた福岡サンパレス。藤井兄弟もチェッカーズも、すべてはこの地から始まった。開演前の明るい場内では、観客が今や遅しと開演を待っている。

やがて暗転とともに歓声が沸き起こり、光り物の輝きが一気に際立った。舞台袖には、フミヤとバンドメンバーがスタンバイ。円陣となって手を重ね、フミヤが笑顔で「軽く頑張ろう!」と一言。なんて気持ちのよい言葉だろう。先にバンドをステージへ送り出し、続いてフミヤが拍手の中へと進んだ。すべての視線と期待が注がれる一瞬、2カウントから「星屑のステージ」で幕開け。会場は割れんばかりの大歓声に包まれた。40周年だからこその選曲とはいえ、1曲目にいきなり持ってくるサプライズ感が憎い。ミラーボールが放つ星屑が床一面に広がり、客席には涙と笑顔が溢れる。“Cry”で手を伸ばし、一瞬であの頃へ。続いて、サックスのイントロから「ジュリアに傷心」。尚之が高低自在なコーラスを添え、観客の手拍子が揃う。続いて一転、あえてゆったりと焦らすようなピアノのイントロから、「涙の……」の一声にキャーッと大歓声が上がり、「リクエスト」の大合唱。あまりの盛り上がりに、フミヤもつい顔をほころばせる。冒頭から、ジュークボックスで懐かしい曲をリクエストしたような感涙モノの選曲が続く。

フミヤ(以下F)Yeah! こんにちは。ようこそ、40周年アニバーサリーコンサートへ。(歓声&拍手。「おかえり」の声に)あはは。ただいま! そうですね、まあ福岡という……福岡っちゅうこって。私だけでなくて藤井尚之も40周年。今日は40年分いろんな歌を歌いますんで、皆さんの思い出とともに聴いてほしいなと思います。(拍手)最後まで盛り上がっていこうぜ! もうちょいチェッカーズが続きます。Come on!

ステージ後部にあしらわれた線状のライトがレインボーカラーに染まり、「I Love you, SAYONARA」。イントロで起こった歓声に、サックスとピアノが重なって色を増していく。続いては、アコースティックギターを抱えて「Cherie」。優しく美しいメロディーと歌声。尚之のソプラノサックスが繊細な響きを加え、一層の切なさを感じさせる。ずるい男と主人公を責めるのは簡単だが、それほどまでに惹き付けてしまう女性像があってのこと。多くのチェッカーズファンは、10代の頃から結構な恋愛のカタチを教わってきたものだ。続いて、ギターのイントロから「NEXT GENERATION」。これもまた、当時の記憶と感情が溢れ出す特別な1曲。歌詞通りにポケットからハーモニカを取り出してのソロは、黄昏色に包まれる。サビではフミヤ自身も手拍子、場内がひとつになった。フミヤだけに青いスポットライトが当たり、「夜明けのブレス」へ。背景の幕が銀色がかった光沢を放ち、ステージの雰囲気がまた変わる。ともに歩んできた40年分の感謝を込めて、丁寧に言葉のひとつひとつを届ける。まさに本ツアー中に文化庁から芸術選奨を受賞したフミヤ、その喜びをファンと共有し合ったばかりだ。ラストは両手を広げたフミヤにライトが集まり、深く一礼。

F:チェッカーズをたっぷり聴いていただきました。(拍手)チェッカーズはこのステージ、福岡サンパレスで(ヤマハのコンテストの)九州大会で優勝して、全国大会へ行きました。
尚之(以下N):そうですね。3階席の後ろの方に座ってましたね、その発表の時。
F:ホントか?! それマジで? 3階なんて、誰もいなかったでしょ?
N:そう、だからいたんですよ。そんな素人のバンド観に来るお客さんなんて身内しかいないから、1階席も全然埋まってない状態。だから3階にいて。
F:どうせ、あの辺でタバコでも吸おうと思って行ったんだよ、きっと。そんな感じだったと思う。
N:そしたら「グランプリ!」って。ウェーイとか言ってバタバタ降りてきて。
F:俺が記憶にあるのは、この辺(1階)から走ってきたんだけど、3階から降りてきたんだ。へえー! やっぱ記憶って人と合わせた方がいいね。それ、他のメンバーも?
N:全員だと思うよ。
F:マジかー。3階だったんだ(笑)。チェッカーズは83年デビュー、10年間やって解散しましたが。次は我々藤井兄弟、F-BLOODをやります。久留米が生んだ……(歓声)あはは! 久留米が生んだスーパー兄弟、F! B! F-BLOOD!(二人でのFBポーズに歓声&拍手)……命!(拍手&笑)尚之は、言わずと知れた九州産業大学高等学校出身です。
N:そうです。二日市にね、行ってました。
F:わざわざ卒業するのを待ったんですけど、今から思ったら、別に卒業待たんでもよかったね?
N:いやー、どうなんですかね? その待った期間があったから売れたっていう。そりゃ運命だと思いますけどね。
F:そうだね、運命だね。運命の流れだね。まあね、チェッカーズ……俺たちアイドルになっちゃったんだよな(笑)。
N:そうなんだよね。だって、ひょっとして俺がそのまま早く行ってたら、めちゃくちゃアイドルの時期にぶつかって、俺ら、たのきんとぶつかってダメだったかもしんないよ?(笑)
F:たのきんともぶつかってるし、シャネルズともぶつかってる。
N:ぶつかってるね! あー、ダメだ! よかった、じゃあ(笑)。
F:はははは! あの頃のたのきんには負けるかもな。
N:敵わないでしょうね。やっぱね。
F:「金八先生」付いてるしな。バックに。
N:そりゃ敵わん。もう社会現象でしたからね。あれは。
F:そう、だから俺らもアイドル経験があるっていう。なかなかないよ。貴重な経験させていただきました。さて、それでは真面目にF-BLOODやります。F-BLOODは兄弟なんで、遺産分けとかで仲違いしない限りは解散がないです(笑)。
N:ないね。
F:だから安心してください。やれるところまで、ね。
N:うん。ね。
F:もう、なんも売れなくなったら、中洲の屋台を引っ張りながら歌いますんで、二人で(笑)。
N:流し復活!っていう(笑)。
F:それではF-BLOOD、聴いていただきます。まず1曲目は、猿岩石がヒットさせてくれた曲です。「白い雲のように」を、F-BLOODバージョンでお聴きください。

フミヤのハーモニカに尚之のアコギが重なり、「白い雲のように」。手をかざして、空を流れる雲を見送る。そしてツアー中にリリースされたばかりの新曲「Story road」。バンドサウンドが心地よく、爽やかな風が吹くような曲。自然に手拍子が生まれる。若き日の二人が、この会場でデビューへの第一歩を踏み出し、40年後の今、そのステージに立っている。人生という旅を感じさせる2曲が、この日はさらに感慨深く響く。
一転して、スピード感あふれる「SHOOTING STAR」。フミヤはモニタに足を乗せ、ハンドマイクで客席を煽る。ミラーボールが煌めき、カラフルなライトが場内に流れ星のような光を飛ばす。ツインギターがステージ中央で掻き鳴らされ、勢いのあるロックナンバーで会場を再び熱くする。

F:Yeah! F-BLOODを聴いてもらいました。F-BLOODも、考えてみればきっかけがマリンメッセなんです。隣。あそこの柿落としでやったイベントで、初めてF-BLOODという名前でやったんですよね。
N:イベントの名前だったんですよね。最初の。
F:そう。俺と尚之がそれぞれにやるということで。それで、観ていたプロデューサーが「これ、ありなんじゃないか?何か二人でやれば?」ということでF-BLOOD、始まりました。まあ藤井兄弟なんで、F-BLOODのパンフレットは久留米でめっちゃ撮ったんですけど、ほとんどが線路の上っていう。今だと完全に炎上します(笑)。昔、俺ら中学校に行く時も線路歩いて行って。
N:普通に線路というのは活用していましたよ。つくしがいっぱい生えてたりとかね。
F:そうだよ、つくし採りとかやったもん、線路で。親も「気を付けて採ってきなよ」って。(会場笑)昔は本当にのどかだったけど。だいたい1時間に4本ぐらいしか電車が通らない。
N:久大線(久大本線)の話ですね、それは。
F:そう、久大線。西鉄は違う。「白い雲のように」が西鉄だと思うと、「行けるところまで行こう」って大牟田までしか行けないよな?(笑)
N:ねえ。約45分ぐらいですかね(笑)。
F:大牟田の方面からだと福岡の天神までしか行かないっていう話になりますが。さあ、F-BLOOD聴いてもらいましたが、次はソロを聴いてもらいます。ソロになって30年ですからね。(拍手)長かろ? 長いっちゃんねー、これが。ソロはいっぱい曲があるんですけど、バラードとミディアムナンバーを中心にやるので、立たなくていいです。立つなって話ですよ。じっと聴け!っていうこと(笑)。その代わり、寝るなって話。まあ、真ん中から前はあんまり寝ないんですけど、2〜3階は危ないんだよ。寝るなよー! 分かっとうか? 頼むばい。
N:寝てよかけん。
F:まあ、気持ちよく寝るならいいんじゃないですか(笑)。
N:寝てよかよ。よかよか。
F:ただし寝言は言わないように(笑)。それじゃ、ソロを聴いてもらいます。

青い背景に横一本の白が水平線を描き出し、「風の時代」へ。帆を張って人生を進む私たち、一人ひとりが舟であり、時には誰かを押す風でもある。サビは最小限のブレスで見事に歌い上げ、圧倒的なボーカルで魅せた。

想いを込めて、代表曲「TRUE LOVE」。ギターを弾きながら、温かな歌声が会場を包み込む。40年間を支える大きな礎のひとつ。歌い続けているフミヤ自身も、込める想いには変化があるだろう。ラストはギターに手を添えて一礼。客席からも、ともに歩いて来た道のりを祝福するように、長い拍手が続いた。一転、迫力のボーカルで魅了したのは「DO NOT」。滴り落ちる雨のような照明の演出が印象的で、ギターソロではステージが赤く熱く染まる。多くのソロナンバーから厳選されたセットリストは、唸るほどの名曲揃いだ。
フミヤが舞台袖へと消え、しばしピアノソロ。心地良い静けさの中、まるで芝居の一幕のように叙情的な即興演奏に引き込まれる。そこから「Another Orion」イントロへ移行。すでに着替えを終えてステージ中央に戻っているフミヤの姿が浮かび上がり、歌い始める。満天の星がステージに散らばる中に、豊かな歌声が響く。ラストは右手を振って暗転。続く「Go the Distance」は、ダイナミックな世界観を圧巻のボーカルで聴かせる。重厚感と成熟の歌声。ラストは弓を放ち、見送る。余韻に酔いしれながらも、長い拍手が贈られた。

ギターのイントロから「ALIVE」。観客は再び総立ちとなり、力強いロックサウンドに身を任せる。サビでは手を伸ばし、ここからまた一緒に進もう、といざなう。単なる演者と観客という立ち位置を超え、ともに人生を歩む同志としてのファンへのメッセージ。フミヤの想いが、声や眼差し、動きのひとつひとつに滲み出る。ラストは両手を広げて拍手を受けとると、軽くジャンプで締めた。

F:ソロを聴いていただきました。後半に行く前に、メンバー紹介します。今回は、この5人のバンドで全都道府県を回っております!(拍手)たぶん全県はチェッカーズの頃も行ってない。だから初めてやってますね、全都道府県ツアー。まあ九州は道に迷うことがないからね。意外と「九州全県を言って」とか言うと、東京の人とか言えないからね。(えー?)えーって、言えないよ、全然。じゃあ東北言える? 言えないだろ(笑)。それと一緒よ。明日、宮崎なんですけどね。宮崎はここから一番遠いな。距離的には鹿児島が遠いけど、JRがあるもんな。新幹線が。久留米なんて15分ぜ? 缶ビールも開けられんやんか。下手すりゃウンコもできないよ。その間に熊本行っちゃうよな(笑)。便利な九州になって、長崎も途中まで繋がってますが、そのうち博多まで来るやろね。博多まで来なくてもいいのか、鳥栖まで来りゃ。……鼻水が。黄砂が飛んでるもんな、九州って。俺、黄砂に弱いんだよ。PM2.5にも弱い。
N:まあ近いからね、福岡とか。
F:車が汚れるよね、砂でな。そんだけ大陸が近い。俺、最近さあ、福岡来てめっちゃ思うことがあって。なんかもう、福岡の街じゃないね。アジアの大都市になっとうね。もう福岡弁が聞こえないもんな。春吉橋だっけ、あの辺とか韓国語と中国語しか聞こえないから。すごいことになったなぁと思うんですけど、まあいいんじゃないですかね。こういう福岡なりの独特な。屋台とかあるから安心するっちゃろうね、アジアの人たちも。大体、あの人たち、福岡のこと海外と思ってなかろ? 近所だと思ってるやろ。それはそれで、福岡がどんどん大都市になっていけば。でもなぁ、ハイタワーとか建ってほしくないけど建つんだよな、天神。せっかく空が広いのにねぇ。……全然メンバー紹介に行かなかったね。ひどいね!(笑) じゃあ、メンバー紹介します。まずはギター、沢頭たかし。ベースギター、山田“Anthony”サトシ。そしてドラム、バンマス、大島賢治。綺麗なピアノを弾いてくれるキーボード、櫻田泰啓。そしてサックス、ギター、コーラス、藤井尚之。
N:センター、藤井フミヤ。(拍手)
F:センターやらしてもらってます!(笑) さあ、それではいくか、後半! 俺たちは久留米の町から、ロックンロールでバンドを始めました。だから最初はロックンロールなんですよ。ロックとロックンロールはちょっと違うんですよ。ロックンロールだったら負けないぜ!
N:Rock ‘n’ Roll!
F:盛り上がっていこうぜ、後半!(拍手)

「ギザギザハートの子守唄」へ。再びのチェッカーズ初期ナンバーに大歓声。ステージ後部のライトが派手に点滅。尚之の振りも客席も完璧に揃い、一気にタイムスリップ。もちろん、3コーラス目「仲間がバイクで〜」でみんなでしゃがむお約束も外せない。「NANA」は、ミラーボールとピンクのライトで、艶かしいダンスフロアに。フミヤが纏うシャツの上品な光沢もセクシーだ。客席は光と色の海と化し、その水面に立つフミヤ。
続くF-BLOODナンバー「I LOVE IT!ドーナッツ!」では、サックスを肩に担いだ尚之とともにハンドマイクで会場を煽る。ステージ中央のモニタに足をかけ、カッコつけるってこういうことだぜ、とばかりに魅せるパフォーマンスで、会場はさらにヒートアップ。背景はアメリカンポップな映像となり、中盤ではハーモニカソロ、尚之のサックスソロ。コームで髪を整えた尚之が、身を翻してフロントをフミヤに譲るシーンには痺れる。やはり藤井兄弟、バンド時代からの“魅せ方”がエンターテイナーとしてトップクラスなのだ。
怒涛の勢いは止まることなく、「GIRIGIRIナイト」へ。手振りのある曲は、ステージとだけではなく観客同士の一体感をも増大させる。ライブを観た人が“よかった”だけでなく“楽しかった”と口にするのは、こうしたポップナンバーの存在があってこそだろう。マイクスタンドを回しながら「One more Rock ‘n’ Roll!」と、本編ラストソング「UPSIDE DOWN」へ。ドンドンと響き続ける低音が、最後の最後まで踊らせてくれる。“Do the little dance”で、光り物が文字通りその輝きをMAXにする。フミヤはマイクスタンドを抱いたかと思えば蹴り上げ、ラストはジャンプでフィニッシュ。大歓声と拍手に見送られ、バンドメンバーとともに一旦ステージ袖へと消えた。

興奮とともに鳴り止まぬアンコールの声に応え、ツアーTシャツ姿のフミヤとバンドメンバーが再登場。

F:Yeah! アンコールどうもありがとうございます。久しぶりにハイウエスト、Tシャツイン(笑)。最近の若い子はインするんだよ、シャツを。韓流みたいだろ?(笑) でも俺たち、20代の頃こうだったからな。これは20代の格好なんだよ。(不良っぽくタバコを吸い、捨てるアクションに歓声)昔はこうやって捨ててたんだよ。今はそんなことしたら怒られる。もし消しても、ポケットから灰皿出して、ね。さあ、それではアンコールいこうか! 40年やってると死ぬほど曲があって、もう作らなくてもいいぐらいなんですけど。5分の1ぐらいは忘れてるなぁ。そんなもんよ、記憶なんて(笑)。1曲だけ、筒美京平大先生に書いていただいた曲があります。宝物です。(拍手)それでは聴いてください。作曲・筒美京平、「サザエさん」のテーマ。(バンドがイントロを出し、場内爆笑)……それでは聴いてください(笑)。作曲・筒美京平、作詞・藤井フミヤ。「タイムマシーン」。手拍子よろしく!

今ツアーそのものがタイムマシーンとも言えるが、このナンバーで駄目押し。デジタルサウンドに乗せて回転する渦に巻き込まれ、時空を超えるダイヤルが回り始めた。絶妙なメロディーラインとミディアムなテンポに、観客は心地よく身体を委ねる。フミヤのパフォーマンスは、アンコールの今もなおフルスロットル。サビでは観客もフミヤと一緒に手を回し、ラストはクラップ3回で締めた。続く「哀しくてジェラシー」には、懐かしさに思わず涙する人も。イントロからして“ザ・昭和歌謡”感が最高。サビでは親指と小指で振りをキメる。

F:いやー、チェッカーズは振りが簡単でよかった。もう、今時のボーイズグループの振りみたいのだったらできないからな(笑)。こんなんでよかったわ。それでもYouTube見て勉強したんだから。さて、今日はありがとうございました!(拍手)ホークスも調子が良く。まだタイミング悪くて一回も(「勝利の空へ」を)歌えてませんが。なかなか勝率の良い方なんで、今年も勝つ試合を見たいと思います。それでは最後の曲はですね、チェッカーズの頃の曲なんですが…(えーーーっ!!!)うん、分かる。でもなぁ、結構歌ってんだぞ、ここまで(笑)。さだまさしさんとかだったら半分ぐらいで終わってるからね。あと全部しゃべりだから(笑)。「I have a dream」という曲を歌います。もう世の中なぁ、新聞見ると戦争戦争戦争で。これを書いた時は20世紀だったんで、21世紀になったら人類は戦争なんてするわけないじゃん!って本気で思ってたんです。そんな馬鹿なこともうやらないでしょ、核兵器ももう捨てるでしょ、と思っていたのに全然そんな兆しもないな。でも我々、上の人たちは酷い戦争を体験しているので。原爆も二発も落とされて。戦争はしない!(拍手)ね。加担しない。我々は、「嫌だ」と言い続けましょう。(拍手)それでは、「I have a dream」。Love & Peace!

ギターのボディを叩いての2カウントから、ラストを飾るのは「I have a dream」。世界平和への切実な想いを込めて歌い上げる。ラストは場内が明るくなり、みんなで手を左右に振りながら、きっと叶うように……「お願いします! 愛と平和を。Thank you!」。こうした想いを、今ツアーでフミヤは全都道府県の観客と共有している。歌を通じた大勢の祈りは、きっと何らかのポジティブなエネルギーを発することができていると思いたい。40周年、最高のセットリストを歌い切ったフミヤに、惜しみない拍手と歓声が続く。

F:Thank you! バンドのメンバーに大きな拍手を。(拍手)今日はありがとうございました。まだ早い時間なんで、天神でも中洲でもどこでも行ってください(笑)。また必ずお会いしましょう。じゃあな。また一緒に遊ぼうぜ! 明日は宮崎行ってきます。(いってらっしゃーい!)まだ3つぐらい残ってる、九州。じゃあ、必ずまたお会いしましょう。ありがとう! Thank you!

客席には笑顔と感嘆の声が溢れている。会場全体に笑顔で応え、手を振るフミヤ。バンドメンバーに続き、名残惜しそうにステージを去る。場内SEは、尚之のインスト曲「Hot Dog」。軽快なサックスのメロディーが興奮冷めやらぬ観客を見送る。

例年以上に歴史を辿る感覚が強いアニバーサリーツアー。各地では、地元公演に久しぶりに足を運んだというファンも多く、フミヤ自身も日程が進むほどに手応えを実感している。「すごくいいライブに仕上がっているから、残る各地の公演も、ぜひ楽しみにしていてほしいね」。その目はすでにツアー最終日、そして武道館までを見据え、最高の着地をコミットしている。

【SET LIST】
星屑のステージ
ジュリアに傷心
涙のリクエスト
I Love you, SAYONARA
Cherie
NEXT GENERATION
夜明けのブレス
白い雲のように
Story road
SHOOTING STAR
風の時代
TRUE LOVE
DO NOT
Another Orion
Go the Distance
ALIVE
ギザギザハートの子守唄
NANA
I LOVE IT!ドーナッツ!
GIRIGIRIナイト
UPSIDE DOWN

<ENCORE>
タイムマシーン
哀しくてジェラシー
I have a dream

【MEMBERS】
Drums : 大島賢治
Bass : 山田“Anthony”サトシ
Guitar : 沢頭たかし
Keyboards : 櫻田泰啓
Sax,Guitar : 藤井尚之