F’s RECIPE 第38回 ー焼きビーフン

フミヤ自身による簡単で美味しいレシピをご紹介する、お料理コーナー 「F’s RECIPE」。
「最初から何を作ると決めるのではなく、旬の食材や、手元にある食材で作るプロセスをレシピにしてみた。
行き当たりばったりレシピ!」という、まさに料理上手なフミヤならではのコーナー。
ぜひ、あなたも作ってみてくださいね!

「焼きビーフン」

米粉の麺・ビーフンは、日本ではマイナーな麺だ。日本人はラーメン・うどん・蕎麦・そうめん・パスタ・冷麺など、さまざまな麺を食べる世界一の麺好きかも。だが、ビーフンは今ひとつマイナーな存在。春雨やマロニーにさえ負けているかもしれない。米が主食の日本人にはもっと食べられてもよさそうなのだが。

米粉は、元々は東南アジアあたりの食材だろう。ベトナムではフォーや春巻きなどに使われるから、ベトナムは米粉文化なんだな。日本人はベトナム料理にあまり馴染みがなかったし、はたして家庭で作る人はどのくらいいるのだろう? 我が家では、ごくたまに生春巻きを作る。とはいえ、ビーフンを買うことは滅多にないように思う。日本人にとってビーフンのイメージは、“ケンミンの焼きビーフン”ぐらいかなぁ。

自分が小学生の頃、給食にたまにビーフンが出た。あれは焼きビーフンだったのかな? 確か「ビーフン」とだけ呼んでいた。ブチブチ切れたコシのないビーフンで、しかも薄く切られた椎茸が入っていたので、大嫌いだった(ちなみに椎茸はもう食べられます! 今や意外と好きなキノコです)。

でも実は私、今はビーフンが大好きだ。
昔、ロンドンの中華料理屋で食べた、シンガポールスタイルのフライドヌードルが今も忘れられない。かっこいいネーミングだが、カレー粉の入ったただの焼きビーフンだ。台湾料理屋で頼む、干しエビが入ったビーフンも好きだ。具材はおそらく豚肉・玉ねぎ・もやし・ビーフン、以上!みたいな単純さ。でもこのシンプルというか素朴というか、ただ炒めた野菜にビーフンが入っただけ、というのがなんとも旨いのだ。

ビーフンは、実は驚くほど調理が簡単! 食材として非常に便利なのだ。
まず沸騰させたお湯にビーフンを1分ほど浸けて、蒸らしながらほぐし、水でさっとしめてザルに上げる。なんと簡単! 煮る必要がない! そして、焼きも旨いがスープ系も旨い。

基本の焼きビーフンを作る場合は、普通に野菜炒めを作ってビーフンを加え、ガラスープを入れて炒めたら出来上がり。野菜は何を入れてもいいし、プラス肉でもシーフードでもなんでもOK! ガラスープにオイスターソースを足してもいいし、カレー粉を入れてもいい。とにかく好きな野菜を炒めれば味付けも自由。

スープビーフンの場合は、スープにただ入れてやや煮るだけ。例えばお鍋をした後の余りのスープなどにビーフンを入れてネギを散らせば、立派なオリジナルフォーになる。たぶん味噌汁にだって合うような気がする。こんな便利な食材はそうそうない。なんせお湯に1分浸けるだけですから。

<焼きビーフン> 

材料は味を見ながら目分量で!

さて! 今回は、あさり出汁を効かせた焼きビーフンを作った。まぁせっかく作るので、やや凝ってみる。私がよくスーパーで買うのは、新竹米粉(シンチクビーフン)。お湯に浸けて水でしめたビーフンは、そのままだと長くて炒める時に大変なので、ハサミで切っておいた方がよい。

ごま油に擦った生姜・ニンニクを入れ、塩少々で、豚肉と玉ねぎを炒める。
さらに野菜(この日は冷蔵庫にあったピーマン・椎茸・セロリ・キャベツ)を加えて炒める。
今回は、そこに小さめのあさり水煮缶を汁ごと入れる。これがポイント。
さらに醤油・酒を加えた鶏ガラスープを加え、ホワイト&ブラック&レッドペッパーを振る。やや汁気がなくなるまで炒めたら、ハイ!出来上がり。

ビーフンは、ある程度火入れしても、春雨やマロニーのように柔らかくなりにくい。旨く作るコツは、ビーフンにスープを吸わせることと、汁気がなくなる程度のガラスープの量にすることかな。
ビーフンを入れてからは炒めるというより少々煮るような感じなので、野菜のシャキシャキ感が残るように調節して炒める。最後に塩少々で味付けするくらいの味加減で、しょっぱくならないようにする。

さぁ! 焼きビーフンにトライ! もし美味しくできたら、マイナー麺だったビーフンが、あなたのキッチンに常備されることになるかも?