

フミヤ自身による簡単で美味しいレシピをご紹介する、お料理コーナー 「F’s RECIPE」。
「最初から何を作ると決めるよりも、旬の食材や手元にある食材で作ることがほとんど」という、まさに料理上手なフミヤならではのコーナー。
ぜひ、あなたも作ってみてくださいね!
「カレーパウダー」
お待たせしました、今回のレシピはカレーです!
いつか教えると、ずっと言ってきましたからね。なぜ今まで教えることができなかったかというと、毎回材料が違うし、気分でスパイスの調合も変わるから。
でも、まぁそれでもいいかと思って、今回はすべてのカレーの基本となる「ガラムマサラ」(ミックススパイス)と「カレーパウダー」(ガラムマサラや他の香辛料を入れたカレー粉)の作り方を伝授します。これだけはいつも同じなので、レシピとして教えることができるのです。常に同じカレーができるわけではないことはご了承くださいませ!
全体の流れとしては、まずガラムマサラを作り、次に、他の香辛料とガラムマサラを合わせてカレーパウダーを作る。その後カレーを作る、というステップです。

●使う香辛料
クミンシード、クローブ、ブラックペッパー、レッドペッパー、シナモン(スティック)、ターメリック、コリアンダーシード、カルダモン、ビッグカルダモン、ベイリーフ、フェヌグリーク
まずは香辛料を揃えてください。一般のスーパーだと種類も少なく少量でも高いので、スパイスやハーブの専門店(店舗やネット)で購入するのがいいと思います。
なるべく、パウダーよりもホール(原形)やシード(種)のものを購入しましょう。自分で砕いた方が楽しいし、香りもいい。ただしターメリックだけは硬くて砕けないので、パウダー状のものを買ってください。
ほとんどは1種類1袋で大丈夫ですが、クミンシードとコリアンダーシードは使う量が多いので、すぐになくなります。とくにコリアンダーシードは3倍の量を使います。多くの場合1袋単位なので、まぁまぁな量になるし余りがち。誰かとシェアするつもりで買うか、大きめのタッパーで長期保存することをおすすめします。
なお、砕いた香辛料の粉が鼻に入ると辛いので、マスクを着用しましょう!
●ガラムマサラ
ガラムマサラとは、何種類かの香辛料を調合したミックススパイスのこと。ミックス加減が各家庭で異なるため、インド人にとっての「おふくろの味」とも言われます。おそらくインドでは、料理の基本としていろいろな料理に使うのでしょう。ちなみに、似たようなものをスリランカではツナパハと言います。
ここで調合したガラムマサラは、次のカレーパウダーの材料のひとつとして使います!

材料を1種類ずつ、電動ミルミキサーで砕いてボウルで混ぜていきます。出来上がったら瓶に入れて保存します。多く作りたい場合は、2倍3倍などの分量でどうぞ。
(注:香辛料を砕いたミルの容器は、どんなに洗っても匂いが取れないし薄黄色くなるので、洗剤を溶かした水にしばらくつけ置きした方がいいでしょう。我が家では、ミルの容器ひとつがカレー専用になっています。笑)
●カレーパウダー
カレーパウダーとは、複数のスパイスやハーブを粉末状にしたカレー粉のこと。先ほどのガラムマサラも、材料として合わせていきます。

グラムはかりではなく、大さじ小さじで量ります。それぞれを砕いてパウダー状にしたものをさじで量り、ボウルで混ぜ合わせます(これがチョイややこしい。さじの分量になるように、勘で量って砕かないといけない。どれも少々余るだろうから、残りは混ぜ合わせて何かの料理に使いましょう)。辛いのが苦手な人は、レッドペッパーを抜いたバージョンを別に作ってみるのもいいかも。
出来上がったカレーパウダーは、瓶に入れて保存します。量が多いので、やや大きめの瓶が必要になります。ガラムマサラはなかなか減りませんが、カレーパウダーは比較的すぐになくなります。ちなみに私は、この分量の3倍で作り置きしています。人にあげてもいいし、シェアする前提で材料を買うのもいいと思います。

●カレー
さぁ! いよいよカレー作りです! 市販のカレールーの代わりに、自作のカレーパウダーを使うだけ。
カレーパウダーはただの香辛料なので、カレールーと違って自分で味付けをする必要があります。鍋の大きさにもよりますが、市販のカレールー1箱(約6皿分ぐらいだろうか)の代わりに、大さじ3ほどのカレーパウダーを使います。

1.まず鍋に、鰹の出汁パックで出汁を取り、塩を少々加えます。そこへ切った野菜(※1)を入れて煮たら、すりおろした生姜と、肉を加えます。お肉は鶏・豚・牛、なんでも好きなものをどうぞ。アクが出たら取り除きましょう。
2.別に用意したフライパンに油をひき(ココナッツオイルを使うことも)、刻んだニンニクを炒めながらクミンシードを入れます。ニンニクにやや色がついたら、玉ねぎを加えて炒めます。ある程度炒めたら、カレーパウダーを入れます。カレーパウダーは、油で軽く炒めることで香りがよくなるのです。
3.炒めた2をフライパンから取り出し、カレーを作る鍋に移します。フライパンにこびりついたカレーパウダーも綺麗に取り、鍋に入れましょう。鍋にスパイスを入れた後は、アク取りをしてはいけません! 具材と一緒にしばらく煮込んで、あれこれ味付け(※2)をして整えたら出来上がり。
※1…カレーに必ず使いたい野菜は、玉ねぎ、にんじん、セロリ、生姜、ニンニク。さらに果物(バナナかリンゴ)もあった方がいいです。フルーティーな甘さが加わると、より美味しくなります。ホールトマトの缶詰も入れます。冷蔵庫の中にある野菜など、なんでも使えます。じゃがいも・大根・ナス・かぶ・スナップエンドウ・アスパラ・ゴボウ・葉野菜・きのこ類などなどたいてい合うので、野菜室を片付けるためにもあれこれ入れちゃいましょう。形が残らない方がいいと思う野菜や、皮・ヘタ・葉などは、ある程度小さく切って、ミキサーでドロドロのジュース状にして入れます。カレーパウダーだけだとスープカレーみたいにサラサラなので、とろみをつけたい場合は、じゃがいも・山芋・オクラなどをミキサーで砕いて入れたり、水溶き片栗粉を入れてみてください。
※2…味付けは、醤油・中濃ソース・酒・ケチャップなど。ドライフルーツやカシューナッツを砕いて入れても美味しくなります。よりスパイシーにする場合はブラックペッパーや唐辛子を加えたり、香り付けにカレーリーフを入れたりして(クセが強いので少量)、最後に塩で味を調整します。最近、お店のカレーコーナーには、茶色くなるまで炒めた玉ねぎがパックで売っていますが、あれは便利。他にもいろんな味付けのものを入れて、アレンジしてみるのもいいでしょう。
とにかくすべて目分量で、その日の素材、その時の気分で作るカレー。キーマカレーやドライカレーはもちろん、乾燥豆を使うカレーもおすすめ。
●おまけ レトルトカレーをアレンジ
このカレーパウダーはすごく便利で、家に1人前のレトルトカレーしかない時、それを2~3人前に増やすことも短時間でできます。そのやり方も紹介しておきます。
まず、鍋もしくは深めのフライパンに油をひいて、細かく切った数種類の野菜を炒めます。そこにカレーパウダー(大さじ1程度)とガラムマサラ少々を入れて、さらに軽く炒め、レトルトカレーを入れ、水を加えます。最後に醤油・中濃ソース・ケチャップ、塩などで味付けし、クツクツ煮えたら出来上がり。
これだけであっという間に、まるで一から作ったような本格派カレーを食卓に出すことができます。
作る手間はかかりますが、このカレーパウダーを使い慣れると、市販のカレールーはもう買わなくなるでしょう。何度も味見をし、何度も作って、試行錯誤しながら自分なりのカレーを作り上げていってください! 焼きそばや皿うどんなどにも使えるし、ぜひ、いろんな使い方を試してみてください。
それでは成功を祈ります!